ことわざ「石橋を叩いて渡る」は、橋の安全性を確認するための一種の非破壊検査と言えます。これを工学的な観点から振動計測システムとして確立することを目指して、名古屋大学名誉教授島田静雄先生、(株)東京測器研究所との共同で開発を進めています。
全国の何十万とある橋梁の効率的な維持管理が重要視されています。損傷および劣化の早期発見のための継続的な維持管理においては、簡易で安価な手法が望まれます。
本計測システムは、簡単に低コストで振動測定を実施して、橋梁の振動状態を経験的・統計的な知見と比較することで相対的な健全度を推定することに主眼を置いています。橋梁は個々の顔を持ちますが、支間・構造形式によって似た振動特性を示すため、多くの経験と統計データの蓄積が診断における安全性の判断を助けます。我々は計測・解析・診断におけるハードとソフトの一貫したシステムを提案し、振動データの蓄積を行なっています。
当研究グループが最近実施した振動測定結果と得られた知見のレポートを以下に公開しておきます。本システムで得られた測定結果を積み上げることで、似た構造形式の橋梁調査の参考データとして役立てたい。
解析に使用するソフトの説明資料につきましては、中日本建設コンサルタント(株)の島田静雄顧問のサイトに掲載してあります。